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ウナギ

Anguilla japonica TEMMINCK et SCHLEGEL

ウナギ科ウナギ属
体長310〜703mm
日本全国(日本は北限)


 河川上流部での水中撮影



 食用として重要魚。水温の暖かい地域なら水のある所には増水時の流れをつたいどこにでも入り込みます。淡水で5〜12年過ごした後に8〜10月に降海し、亜熱帯の産卵場所へ向かうとされていますが、正確には不明です。
 レプトセファルスを経てシラスウナギに変態。10月〜5月にかけ群れを作って河川を登ります。そのシラスウナギはどこで生まれたのかは正確には分かっていませんし、全て他の国のウナギの子という説もあります。
 最近では種苗が不足する為に、朝鮮・中国からも輸入されていますし、ヨーロッパウナギAnguilla anguilla の幼魚も持ち込まれ、何を食べているのかは分からない状況です。
 食通ぶって「これは天然である」などといい格好をしないことをお勧めいたします。自分で採ったウナギでもほとんど放流魚の可能性があります。琵琶湖ではほとんど放流魚です。1976年現在での数字は、河川・湖沼で漁獲された天然ウナギは5%、養殖ものが60%、輸入が35%です。以後はどんどん輸入が増加していくのですが、ウナギ類は現在世界で18種及び亜種が認められています。現在およそ16ヶ国以上から輸入されていますが、生鮮食品としての輸入を除いてもかなりの種類のウナギが入ってきていることが確認されています。また、問題は他の魚種の種苗が必ず混じって入ってくることです。
 外見からは外来ウナギの識別は困難で、現実には全国的に分布してしまっている状況であり、時を同じくして魚病の発生が多発しています。原因の特定はされていませんが、特にヨーロッパウナギが入り込み出した時期と一致しているようです。

 オオウナギAnguilla marmorata QUOY et GAIMARDは別種であり、静岡県あたりにまで分布しています。体長は1.5mを超えるほど大型になりますが、食用には利用されていません。また、各地域では天然記念物として保護されていますのでご存知の方は多いでしょう。生態は不明です。

 ウナギ類のレプトセファルスを採集して一番小さなものが採集される地点がどうやら産卵場所であることがわかってきましたが、広大な海でえんえんとプランクトンネットを引いて調べていくというのは、膨大な期間と費用がかかり現実的ではありませんが、ヨハネス・シュミット博士が、1933年に死去されるまで約30年間、国の依頼を受けて調べておられます。

 結局はヨーロッパ型とアメリカ型の2群が大西洋で産卵していることをつきとめ、、大西洋の特定の場所の900フィートのところで一番小さな10ミリ前後のレプトセファリが採れるので、その付近をヨーロッパ型の産卵場所と推定し、アメリカ型はアメリカ大陸により近い場所にあることを発見されています。現在も、盛んに研究されています。
 現実に産卵する姿は未だ捉えられていませんので謎のままですが、概ね推定どおりだろうとされています。日本型にしろ、広大な海の特定の場所にたどりつけるということは本当に不思議なことです。 


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