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オオクチバス

Micropterus salmoides (LACEPEDE)

サンフィッシュ科オオクチバス属
体長250〜500mm
日本全国

琵琶湖北湖での水中撮影



 沖縄でも確認されているほど蜜放流されました。1925年赤星鉄馬氏により芦ノ湖に放流されたのは有名な話です。学名のバスはいわゆるノーザンラージマウスバスであり、現在、琵琶湖にはスポッテッドバス、フロリダバス、スモールマウスバスも生息しています。

 近所で気楽にゲームフィッシュとしての釣りを堪能できる面白さがブームとなり、全国的に密放流されてしまいました。在来の日本産淡水魚ファンとしてはバスのみならず、タイリクバラタナゴ迄日本に生息してはならない種だと思っています。魚のみならず、在来種の昆虫、動物、植物を知れば知るほど日本産の在来種の危機的状況がわかります。
 魚類ではなんとメダカさえも危機的な状況にあります。バスにしても在来種に与えている影響ははかりしれないものがあります。在来の種が食べつくされるとバス自身が困るので食べつくされるはずがないという意見や、実際にバスが生息する池でも他魚種が生息しているとか次元の低い意見が多々ありますが、その場所での在来種の生息状況をバスが入る以前と科学的に比較考察されての意見ではありません。
 もちろん在来種が減った原因は多く、最大の要因は環境破壊でしょう。フナやコイの放流でも消えて行く魚種はたくさんあります。バス自身に何の罪もありませんが、釣り対象魚として慎重にかつ計画的に移植されたのなら、社会的、水産上にも重要魚種として立場を与えられたかもしれませんが、こう無差別に放流されてしまったら大問題です。これは後世に残る犯罪です。罰則の法体系をもっと厳しくすることが必要です。ガーパイクなど、飼育個体の密放流も多く厳しく対処すべきです。

 人工の閉鎖水域なら池を干してしまうことも可能ですが、天然水域では入り込んでしまったら、産卵床の親魚を丹念に取り除くことしか方法はありません。
 外来魚にはニジマス、ブラウントラウト、カワマス(ブルックトラウト)、レークトラウト、ソウギョ、アオウオ、ハクレン、タイリクバラタナゴ、カダヤシ、グッピー、ペヘレイ、タイワンドジョウ、カムルチー、ブルーギル、チョウセンブナ、ティラピアなど他にも多くの魚種がありますが、全て在来種に多大な影響を与えています。
 経済効果、水産資源としてどうのという勝手な利益主義での放流、学者が自分の研究の為に放流している事実もありますし、国が改修工事をする為に漁業補償という名目で放流した種もあります。結局、全て人間の都合です。
 バスの為に放流しているワカサギが減ったという話しも、ワカサギ釣りファンの為の都合と、経営者側の都合ばかりの話しです。漁業に従事されている方の話しも、ほとんどご自分の対象魚さえいれば良いというレベルばかりです。
 ダム問題では補償の前にはほとんどの方は沈黙されています。そして、後で後悔されているようです。何の見向きもされないような在来種の行く末を案じて欲しいものです。人間と魚とどっちが大切なのかという次元の話しには同じ机上で論ずる気も失せるものです。

 極端な考え方ですが、全ての生体についての輸入、移植、放流禁止にしなければならない時代になってきているのではないかと思います。人間が手をかけていないと維持できない種類は動物、植物全ての生物にわたって大変多くあります。
 絶対、自然のままに人間は手をかけてはいけないという狭い考えの方も多くもこういう人達とも、もう同じ机上で語る気はありません。

 四季や天候、水量などに敏感に反応する魚種であり、四季の変化によって生息する場所が違います。これは全ての魚種にとってもあたりまえのことですが、ダムや止水、そして河川など、どこにバスがいるのかをその時の天候、水温、水質などで推理していくのですが、在来種よりも複雑な生態を持っています。
 思ったより流水にも適応していますし、特に川バスは遊泳力が強く、力もありますので止水で釣るよりもワンランク糸を太くせねばなりません。上の画像のように大型魚は物陰にひそんでいる場合もありますが、群れを作って遊泳する姿も見られます。

 オイカワやアユなどの遊泳力のある魚の群れには後を付いていっていることがあります。これはたまにイレギュラーな動きをするものや、病魚などを待っている場合が多く、その場合は確実に捕らえているようです。また、ハゼ科魚類の止まっては動きというような行動には異常に興味を持ちます。
 スモールマウスバスは冷水にも適応し、遊泳力を持つ種類で回遊する性質を持っています。ラージマウスでは追いきれない魚種もターゲットに入りますので、この種は在来種にとっては大変危険です。バスの四季の生態に関しては、一般のバス釣りに関しての書籍が一番詳しいでしょう。



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