Zacco temmincki (TEMMINCK et SCHELEGEL)
コイ科ハエジャコ亜科オイカワ属
体長90〜160mm
中部地方以西
側線は完全、口ヒゲはない
オイカワと同じ属なので、zacco という属名で気の毒です。もっとも、外国の学者にとっては気にもならないのでしょうが。本種ほどオイカワと対比されて語られる魚種はいません。河川における瀬と淵という対比がそうさせるのですが、河川を上から覗くとカワムツは一見して分かります。背びれの付け根が金色の縁取りがありますので、魚種を見分けるポイントにして下さい。 透明度の高い河川の淵でよく見られますが、河川ごとに体型の変化もあります。外見上では吻の形態に随分違いがあり、より精査すると尻びれ、追星の分布の違い、側線鱗数、縦条の濃淡、範囲などが異なります。いずれも種内変異程度ですが、各地方産の形態の違う種を混育していても差が歴然としています。水槽飼育には適しているようで、良く馴染んでくれます。
釣り魚としては一向に見向きもされない魚種ですが、淵を好む魚は待ちうけ型が多く、樹上から落ちる昆虫や水性昆虫などを良く食べます。コンクリートで河川改悪され淵がなくなり溝化されるとオイカワは生息できてもカワムツは消えて行く運命にあります。
琵琶湖におけるカワムツと、他のカワムツには種レベル以下の差異があるようで、琵琶湖においては他の一般的な魚種も種レベル以下での変化があることが報告されており、琵琶湖の特異性は研究者の精査を待たれます。しかし、外来魚・・特にブラックバスとブルーギルの圧倒的な繁殖力の前に、こういった地道な研究も大変困難な状況になってきています。
近年、Zacco sieboldii (TEMMINCK et SCHELEGEL)ヌマムツとして2種に分かれていますが詳細は最新の文献でお調べ下さい。
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