Chaenogobius isaza TANAKA
ハゼ科ハゼ亜科ウキゴリ属
体長55〜80mm
琵琶湖
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画像は日本淡水魚分布データベースよりお借りいたしております |
イサザと呼ばれている魚は全国に数多くありますが、標準和名では本種のみです。
琵琶湖の重要な水産資源であり、漁獲量はコアユと逆の変動をしています。このことから稚魚の餌と生活空間に競争関係があることが推察されています。水深10〜60mの所に住み、日中は30m以深の泥底部の底近くに、夜間は夏は中層、夏以外は表層にまで浮上するようです。
当然、生活圏は北湖になり、周辺河川にも遡上はしません。完全な冷水性のハゼです。
琵琶湖にビリンゴというハゼが存在しないことから、このビリンゴが変化したという説もありますが、一般に琵琶湖においてはコアユのように、種が小型化する傾向にあるとすれば、ビリンゴはイサザより小型の為に、むしろウキゴリが変化したと考える方が自然という説もあります。
余談ですが、長野県魚貝図鑑1980では、長野県の諏訪湖にだけ住むビリンゴは琵琶湖から入ったらしいとされていますが、琵琶湖にビリンゴ、ジュズカケハゼはおりませんので間違いです。移植により相模湖、霞ヶ浦にも分布とされていますが、繁殖は考えられないと思います。
皮膚が大変薄く、透けて見えますのでアメ色のようですが、当然、皮膚は弱く、傷もつき易く、寄生虫にも弱い為大変飼育しにくい種だそうです。また、ハゼの仲間ですのでやはりよくケンカもします。ハゼの仲間達は種類も多く、変異に富み研究者にとっては絶好のネタですが、いわゆる論文以外には、意外とこの種について詳しく述べられた書籍はありません。しかし、水族館でしげしげと眺めていますと、どう見てもウキゴリが変化したとしか思えません。琵琶湖に於いてはあのフナやナマズですら変化してしまっています。琵琶湖の多様性を思う時、イサザはウキゴリが垂直方向に変異していったのではないでしょうか。
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