ホーム >  淡水魚達 > ゲンゴロウブナ

ゲンゴロウブナ

Carassius auralus cuvieri TEMMINCK et SCHLEGEL 1969中村
Carassius cuvieri TEMMINCK et SCHLEGEL 1976宮地・川那部・水野

コイ科コイ亜科フナ属
体長250〜400mm




 ヘラブナの原種としてあまりにも有名です。体高が高く腹側はゆるやかな湾曲があります。釣り用のヘラブナとして全国へ移植されていますが、琵琶湖淀川水系原産の野生のゲンゴロウブナはヘラブナよりもやや体高が低く、頭の形も違います。環境の違いと食性の違いによるものです。
 全長50センチにもなるヘラブナも生息し、釣りではひとつのカテゴリーを築いています。ヘラ釣りをする方にも一言申し上げたいのは、どんな場所にも入り込んでおられますが、ゴミが多いことです。ゴミの多い順番で申せばバス、ヘラ、コイでしょうか。それと富栄養価の原因となるネリエサの放棄等マナーの悪さ。マナーが悪いことにかけてはバス釣りをする人の方が多いですが、若い方が多く、ヘラブナ釣りはいい年配の方のマナーの悪さが多いのであきれます。

 琵琶湖という特別な環境で分化した種類ですが、食性では植物性プランクトンを摂取する方向に特化したのは何故なのでしょう。鰓耙数がギンブナの倍、100から120ぐらいありますし、消化管の長さが体長の5倍ほどです。(ギンブナは2.5倍)
 レンギョという外来種は鰓耙が癒着しもっと効率の良いプランクトン食で、このレンギョが入るとヘラブナは駆逐されていきます。

 鱗がはがれやすい意味は何か理由があるのでしょうか。琵琶湖で特異的に分化しているのは北湖のようで、深い層を色々行動しているようです。採れる場所の水深が一定であったり、そうでなかったりと不可思議な行動があるようです。
 もっとも、北湖の湖流は湾近辺では複雑で、上、中、下層とでは別であったりします。摂取しているプンクトンも決して植物性ばかりではなく、時期によっては相当量の動物性プランクトンも見られています。かなりの広範囲を遊泳しており、友田博士によれば「琵琶湖の変化する食物条件を多面的に利用し、常に何らかの餌を十分に摂取している」と行動の多面性を述べられています。琵琶湖において何百万年という時とともにニゴロブナ、ゲンゴロウブナに変化した理由は必ずあるはずですが、産卵場所もどんどん減っていくなかでの研究は大変なものと思います。


topへ戻る
Copyright(C) MG All Rights Reserved 
inserted by FC2 system