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日本産淡水魚の学名・計測部位について


 以下の記述は「原色日本淡水魚類図鑑 宮地傳三郎 川那部浩哉 水野信彦 共著」 昭和55年7月1日発行全改訂新版第5刷 保育社 より引用しております。
 詳細はできるだけ最新版をご覧下さい。
 種名、学名は研究者により異なる場合が多く、「原色淡水魚類検索図鑑 昭和54年3月31日発行 第6版 中村守純 著」 北隆館 からも取り上げておきました。

 標準和名:最も標準的な日本名で記しています。標準和名とは明治時代に琵琶湖近辺での呼び名を基準にしたものです。
 種名・属名:学名はラテン語で綴られています。属名、種小名、命名者と並び、この三つで種名となり、命名者名は分類学の論文以外では省略が許されるものです。
 属名、種小名はイタリック表記が基準ですが、ホームページ上ではOSの違いなどによる再現性の問題がありますので、とりあえずは標準の書体を使用しています。

                           コイ   Cyprinus  carpio  LINNAEUS
                                属名    種小名 命名者名

種(species):一定の形態をもち、一定の生理作用を営み、一定の生活様式をとる、自律的な完結した生物集団とされています。
亜種:種は同じで、形態・生活の違う地方的集団。種小名と命名者の間に亜種小名を入れてあらわしています。

                           スゴモロコ  Squalidus chankaensis biwae (JORDAN et SNYDER)

         命名者をカッコでくくっているのは、その人の命名後に属名などの変更があったことを示しています。

亜属:ひとつの属(genus)の多数の種が、いくつかの明瞭なグループに区別されるときは、それを亜属(subgenus)とする。これは属名と種小名の間にカッコを入れて示されます。

                           アジメドジョウ  Cobitis (Niwaella) delicata NIWA

 科名・その他:属をまとめて科(family)とし、その上に目(order)鋼(class)門(phylum)の順序で単位があります。また、おのおのの下に亜(sub-)、さらに下(infra-)、上に上(super-)の接頭語をつけた単位を設定することもあります。

ひれ(fin):背びれ(dorsal fin)・尻びれ(anal fin)・尾びれ(caudal fin)・胸びれ(pectotal fin)・腹びれ(pelvic fin=ventral fin)尻びれ・尾びれは常に1個以下、胸びれ・腹びれは常に1対以下。背びれは種によって異なる。ハゼ科のハゼ亜科では左右の腹びれが合一して吸盤になる。種類によっては異なるひれが連なったり、消失していたりします。ひれには棘(spine)と軟条(soft ray)の区別があり、軟条は多くの関節を持ちしばしば分岐します。コイ科の背びれなどでは、本当は3個の棘があるが、前方の2個の棘は小さくて見つけにくいので1棘として数え、最後の軟条2個は基底で合一しているので、あわせて1個と数えることになっています。

うろこ(鱗scale):日本産淡水魚の鱗には、硬鱗(ganoid scale)、円鱗(cycloid scale)、櫛鱗(ctenoid scale)の3つがあり、硬鱗はチョウザメに限られます。鱗数は側線に従って数えます(縦列鱗数)。

全長:上顎の前端から尾びれの後端まで。
体長:固定している尾部の骨とその直前の脊椎骨との接点までを測定し、通常は尾を持って左右に曲げてみて、容易に折れ曲がる関節の場所まで。

縦条・横帯:頭から尾にむかうのが縦条で、背腹方向にむかうのが横帯。斑紋もおなじ方向で縦斑・黄斑と呼ぶ。縦と横を逆にしないこと。釣をされる方でも縦と横を反対にされている人は多いもので、注意を要します。

河川形態:瀬が滝状に落ち込む型を a 落ち込みはしないが白く激しく波立つ型を b 波立たずに流れる型を c 上流では1蛇行区間に多くの瀬と淵があるのを A 下流では1対の瀬・淵があるのを B とする。常にaとA、b・cとBは対応する。川が途中で盆地に入ると、いったんBb型ないしBc型が見られ、再び谷を通るとAa型にかわる。

魚相と分布:北海道などでは下流でも水温が低く、本州では上流にすむものが下流へも下ってくる。この点から川の区域を分けている。

                        イワナ域:夏季日中水温が12〜13℃以下が主
                        ヤマメ域:夏季日中水温が12〜13℃以上、18℃以下が主
                        ウグイ・オイカワ域:夏季日中水温が18℃以上が主
                        コイ・フナ域:同上



魚類の計測部位
魚類の各部名称


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