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アマゴ

Oncorhynchus rhodurus JORDAN et MCGREGOR 1969中村

Salmo (Oncorhynchus) masou macrostomus GUNTHER 1976宮地・川那部・水野
サケ亜目サケ科同属
体長 河川型100〜300mm
神奈川県酒匂川以西本州太平洋側、四国、九州大分県大野川以北の瀬戸内海、筑後川上流ヨシブ付近。
河川の渓流域。


 
 滝壺での水中撮影  

   現地につき、期待を胸に秘め釣りの準備をします。
 最初の一投は吟味したポイント。一投して一尾。30センチのアマゴ。私の昼食はこの一尾で十分です。後はキャッチアンドリリース。山の恵みを頂戴し、堪能した時点でやっと周りの景色に目を向けられます。私の釣行はこういった手順で始まります。
 夏場ならばそのまま渓流に潜り、アマゴやイワナと戯れ、体が冷えると火を焚きコーヒーを沸かし、至福のひと時を過ごします。
 私にとってなくてはならない渓流魚がアマゴなのです。自然でのこの味わいを覚えたら、どんな一流料亭にいっても満足できません。

 潜って後ろから静かに近づいて行きますと、それこそ、数センチきざみで、岩影から近づくのですが、ちょっと頭を出した時点で気づかれ、一目散に逃げられます。アマゴに限らず魚達は視野が大変広い為に後ろも見えています。視力は恐らく人間の近眼なみでしょうが、動くものに対する視力は、視野の広さと共に人間よりはるかに上でしょう。アマゴ釣りを難しいという方を良く見ていますと、ポイントに入るのに、ヘラ釣りや管理釣り場と同じようなスタンスで近づいておられます。あれでは魚に気づかれて釣りになりません。相手は野生のケモノと同じつもりで接近していかないと気づかれます。
 サケ科魚類のヤマメ、アマゴ類は地域変種に富み、また、湖沼型、河川型、降海型と変異が多く研究者にとっても興味のつきない種です。天然分布はヤマメに比べて片寄っていますが、一部地域では重なっています。ヤマメとの違いは、側線の上下に赤色小斑点があるという点です。琵琶湖にいるビワマスはアマゴの湖沼型とは異なるようで、ヤマメの降海型はサクラマス、アマゴはサツキマスという呼称で話しをしないと混同するばかりです。

 淡水魚増刊ヤマメ・アマゴ特集で、ビワマスの繁栄する琵琶湖に注ぐ石田川にヤマメが存続しているのは不思議(古川氏)と発言されていますが、私自身は現地で釣り、潜水を通じてもアマゴしか見たことはありません。専門家ですので絶対に間違はないでしょう。ただ、見られた時期が私よりは10年程さかのぼりますので、その間に放流されたのかもしれません。

 ヤマメとアマゴとは同一水系内でも住み分けしている点から別種としても良いのではという意見や、天然交雑種がいるという点で亜種レベルであるという意見もあります。突然変異型とされているものにイワメ Salmo(Oncorhynchus) masou macrostomus GUNTHER f.iwame KIMURA et NAKAMURAという局所的な分布域を持つ種類もいます。養殖技術は古くから確立されていますが、やはり飼育するに当たっては水温が第一のポイントで18℃以下、たえず新鮮な酸素を含んだ流水の確保が必要です。



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