Liobagrus reini HIL GENDORF
ギギ科アカザ属
体長70〜100mm
本州(太平洋側では富士川以西、日本海側では雄物川以南)、四国、九州
口ひげは8本
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画像は日本淡水魚データベースよりお借りしております。 |
主に河川の中、上流域の石の下などに見られます。
夜行性であることはギギと同じですが、背部が赤褐色なので「赤背」の意味だろうといわれています。
ギギの仲間は黒が基調なのに、何故、赤なのでしょう。
もっとも赤い色は、水中では真っ先に色が消え黒く見えますが、不思議なことです。水質のきれいな透明度もある渓流の浅瀬を主な住みかとしているので支障はないのでしょう。
背鰭、胸鰭には鋭い棘があり、刺さると痛み、肉食で雄が卵を護る性質もあります。
本種を始めて見た日のことは、まだ鮮明に覚えています。
上流域での細流で、何気なく石をめくっていくと、たくさんいました。ナマズやギギの子供は可愛いものですが、アカザは成魚でも10センチ程度の魚ですので、大変可愛らしいものです。まして、体色が赤いので熱帯魚を見ているような気持ちにさせてくれました。
稚魚は黒味がかりナマズと大変良く似ています。飼育してみたくなるような魚ですが、冷水性ですので向いていません。
このことはアカザにとって幸運なことでしょう。石をめくると10匹程ひとかたまりになっていましたが、あたふたとあわてている様子があるのみで、逃げるのは大変へたくそです。自らを護る術を持っていますので、逃げる必要性もあまり無いのかもしれませんが。私が見かけるのは水深が浅いところばかりです。
ギギ属とは形態的にわずかな差異がありますが、アカザ属は日本では一属一種のみです。朝鮮に2種、台湾に1種、揚子江に3種、華南に1種の近似種を産する(中村守純著原色淡水魚類検索図鑑第6版)とありますが、朝鮮半島のコウライアカザLiobagrus andersoni REGANおよびミナミアカザL.mediadiposolis MORIとは近縁のようで、特にミナミアカザとは、胸鰭棘の鋸歯のほかは酷似しており同種になるかもしれない(原色日本淡水魚類図鑑:保育社)といわれています。
生態や食性はコウライアカザ、ミナミアカザ、日本産のアカザと同じですが、染色体数,が2n=28,42,66と異なるようです。(淡水魚6号)
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