ホーム >  淡水魚達 > アジメドジョウ

アジメドジョウ

Niwaella delicata (NIWA)

ドジョウ科アジメドジョウ属
体長70〜100mm
本州中部、近畿の数河川の上・中流域
口ひげは6本
 河川上流部での水中撮影


  シマドジョウに大変似ていることから同種とされていましたが、1973年に別種とされています。
 Niwaella の学名は木曽川魚類研究者の丹羽彌氏の名前をとってつけられています。
 生息範囲は特に限定されており、地理的分布は局所的です。

 私がある河川の上流域で見たときは、アマゴ、アユなどと共に岩盤の底、壁面などについた珪藻を食べ、かなり群生を見られましたが、現在はその生息地がどうなってしまったのか気になるところです。

 特に美味であることから乱獲が激しく、現状では絶滅寸前です。
 特に岐阜県下では食用として大変有名であることと、伏流に集まって越冬準備をし成熟期とも重なることが本種の不幸で、一網打尽にされてしまうようです。
 湧水のある河床に1m近く潜って越冬し、越冬中の3〜4月頃に産卵すると予測されており、抱卵数は平均約100個と大変少なく、数が少なくなってきた昨今、高価になり密漁も未だにされているようです。
 淀川水系の安威川で1984年に再発見(淡水魚11号)されていますが、案外、最後まで生息できる可能性のあるのは、こういった食べる習慣のない地域かもしれません。
 シマドジョウとの見分け方は、背鰭と腹鰭の位置が随分後ろ側に位置していることです。
 淀川水系と木曽三川、三重県に特異的に分布するようで、これらの地域がつながっていた時代の遺物でしょう。

 分類学上では明治26年(1893)に北原多作氏によりCobitis sp.として既にシマドジョウとは別種として提唱されていたようです。(淡水魚4号丹羽彌)
 アジメとは「味女」、美味にして且つ姿優しき魚の意味と考えるのが妥当だろうとされています。アユなどと同じく付着藻類、珪藻類を主食としているのが美味である一因かもしれません。
 人工孵化育成は未だ困難であるということは、確実に絶滅に限りなく近いといえます。



topへ戻る
Copyright(C) MG All Rights Reserved 
inserted by FC2 system