Acheilognathus limbata (TEMMINCK et SCHILEGEL)
コイ科タナゴ亜科タナゴ属
体長40〜70mm
濃尾平野以西
地味ですが極めて美しい婚姻色を持つタナゴです。
オリーブグリーンを基調とした色彩ですが、紫褐色もあり黄や黒も含んでいます。
水槽内では色は落ちますが、それでも決して見飽きることのない美しさです。その美しさの半面、繁殖期には大変縄張り意識が強く、飼育には注意が必要です。
タガイ、ドブガイ、イシガイなどが産卵に適する貝のようです。大体、細流に多く、湧水のあるところで見られます。
琵琶湖でも随分捕れましたが、現在は見る影もありません。
もっとも、以前は浜大津でもモンドリと釣りでかなりの魚種を採集できたものですが、健在はブルーギルとバスだらけ。
この種は近縁のタナゴ類と良く交雑するようで、交雑種も良く採れていますが、稔性には疑問があったようです。
ヤリタナゴとの人工交配では雌雄共に妊性があり、雑種第2代と退交雑種を得られています。(淡水魚4号上野)
ヤリタナゴA.lanceolataと本種は産卵床として利用する貝をめぐる競争において、他種のタナゴ類との関係や個体数の変化によって利用する貝の種類が変化し、貝選択性も不明確であるという(福原ら,1984)。
九州の河川では天然交雑種が見られているようです。人工交雑の詳細な実験結果報告が淡水魚12号にて鈴木氏から豊富な図版と共にされています。
本来は天然水域で妊性のある交雑種が見つかっても、近年になって交雑する要因(何らかの環境変化など)が増えたと解釈する方が自然です。そうでないと、種が維持されてきた理由がありません。
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