四苦八苦の栽培。
植物の栽培を始めたのは昭和50年代です。水槽ディスプレイ用の水草栽培がきっかけでした。輸入種が殆どで高価な時代でした。現在とは隔世の感があります。
その中で水生蘭として紹介されていたものにスピランテス・ケルヌアがありました。それを手に入れ水中栽培しましたが、当然、枯れました。図鑑類等々を調べると、日本には近縁種のスピランテス・ジネンシスが自生しているとのこと。それも河川敷などで見られると紹介されています。
和名がネジバナ・・・、最も普通に見られる野生ランですが、初めて出会った時は嬉しいものでした。
野生蘭の栽培書、図鑑類も次々と増え、コツコツと他の野生蘭を集めはじめました。
ところが栽培して増やすとなると四苦八苦。栽培書・・・執筆されている方々は本当に紹介している全ての種を長年栽培して増やしているのかと疑問浮かびました。かなりの書籍を集めましたが、そういった意味でも紹介できるものは少ないものです。
私自身の栽培歴は40年ほどになりますが、結局、多くの種を枯らしてしまいました。
趣味者、業者などによる乱獲、開発などの影響で野生蘭そのものが絶滅の危機に瀕しているものは多く、現在、野生蘭の栽培は絶滅を推進しているようなものです。人工増殖で需要が満たされている種は20種程度とされています。
現在でも売られているものの中に、栽培不可能種が売られているのをよく見かけます。これは明らかに盗掘品であり、購入してはなりません。「種の保存法」という法律もでき、指定された植物は厳しく罰せられます。
初めて野生の春蘭に出会ったのは1980年頃でした。ウチョウラン、イワチドリなどの実生床として利用する為です。
栽培する為に専門書などを集めはじめましたが、数年後には春蘭の魅力に虜になっていました。
当時、仕事で通っていた某百貨店の園芸用品売り場で大変高価な数々の銘品を眺め、溜息が出るばかりでした。
しかし、頒布会などに訪れると、乏しい小遣いでも小苗なら何とか購入できると少しづつ購入。
栽培に失敗し、枯らしてしまったものもあり悔しい限りです。種類は少ないのですが、現在、大半が順調に増え続け困っているほどです。
小苗から手探り状態で慎重に育てた種ばかりで、20年以上たっても花を見られていない種もあります。
勉強の為、安価で購入した銘品札落ち品は、結局3種類であることが判明。「瑞梅」と「集円」は判明したのですが、もう一種、小型の種がまだ現時点でも花が見られていませんので不明です。芽はよく吹くのですが、性質が弱く、油断するとスッポ抜けが多発してしまいます。栽培して20年以上たちますが、植え替えをするとバックが弱いために小苗だらけになってしまいます。活力剤などを多用した影響も見受けられました。
現在は肥料を控え気味にして様子をみています。
知人から譲られた寒蘭無銘品も、無加温栽培にもかかわらず増え続けています。銘品は豊雪と金鵄のみです。生育は遅いのですが春蘭よりも丈夫で栽培には苦労しません。
近辺の園芸店でもたまに東洋ランが安価に販売されていることがあり、所有していない種があると購入している始末です・・・。
現在は300鉢を数えるほどになり、これ以上増えると置き場所がありません。以前、枯らしてしまった種や、まだまだ欲しい種があるのですが、年齢のことも考えると慎重にならざるを得ません。
良い花が咲いたらその姿を記録したいのですが、毎年、今一つといった状態が続き来年こそはと思う日々が長年続いています。「若くしてランを養い、老いてはランに養われる」という言葉通りになってきました。
引っ越した為、環境が激変しましたが、徐々に慣れてきてくれたようです。しかし、近年の猛暑対策には悩みます。
近年、春蘭類は置き場所に困っていることから、場所を撮らないフウラン、セッコク類を少しづつ集めています。安価であることが条件ですが・・・。
2022年9月、近所のホームセンターの園芸用品売り場で長生蘭、セッコクが販売されていました。屋内展示でクーラーがかかり、他の植物達と同様な水やりで過湿、少し心配でしたが安価でしたので思い切って購入しました。
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フウラン
風貴蘭 |
天の川 |
大高丸 |
阿波針紅 |
奄美青龍 |
上総の舞 |
胡蝶の舞 |
兜丸 |
金孔雀 |
金光星 |
轡虫 |
黄鳳 |
黄金錦 |
十二単 |
朱天王 |
春及殿 |
猩々 |
瑞雲 |
桃煌 |
玉金剛 |
達磨 |
天恵覆輪 |
天女の舞 |
南国の舞 |
西出都 |
白雲閣 |
白鳥 |
花衣 |
東出都 |
翡翠 |
雛童 |
福寿丸 |
富嶽 |
富嶽宝 |
藤娘 |
紅扇 |
紅雀 |
鳳凰殿 |
豊明殿 |
夢想 |
緑宝 |
羅紗覆輪 |
夕映 |
横綱 |
淀の松 |
無双丸 |
紀州白皇 |
御簾影 |
御城覆輪 |
駿河覆輪 |
麒麟丸 |
白皇覆輪 |
雲海 |
名称不明 |
並物普通種 |
天紅梅 |
富士錦 |
長生殿 |
翠華殿 |
聖代 |
天昌 |
青海 |
鳳凰丸 |
紀州雪虎 |
湖東覆輪 |
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セッコク
長生蘭 |
黄丸 |
熊野 |
黄の白糸 |
香月 |
野村 |
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南紀 |
翠紅 |
紫苑 |
紅綾 |
雷山 |
聖紅 |
桃梨華 |
紅牡丹 |
峰娘 |
紫金剛 |
玉泉 |
都姫 |
万里紅 |
李香苑 |
君子 |
陽春の緑 |
瀞月 |
白楽天 |
牡丹桜 |
陽炎 |
朝霧 |
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紅木田 |
黄金丸 |
黄龍 |
銀雪 |
瑞宝 |
千里丸 |
白鶴 |
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並物普通種 |
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春蘭 |
東の光 |
大虹 |
加茂日進 |
黄の司 |
極紅 |
光琳 |
紅陽 |
栄菊 |
寿紅 |
聚楽 |
雪山 |
雪嶺 |
秩父錦 |
朱鷺 |
南紀 |
日輪 |
鳳凰殿 |
群千鳥 |
女雛 |
雪姫 |
輪波の花 |
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中国春蘭 |
汪字 |
軍旗 |
集円 |
翠蓋 |
翠荷素 |
瑞梅 |
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寒蘭 |
金鵄 |
豊雪 |
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西谷産 |
紀州産 |
薩摩産 |
日向産 |
屋久島産 |
妙法山産 |
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春寒蘭 |
普通種 |
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糸蘭 |
糸蘭白花 |
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小蘭 |
小蘭 |
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金陵辺 |
金陵辺 |
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素心蘭 |
雪月花 |
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札落ち |
「豆千代」か「白梅の里」と推定 |
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野生蘭など
アケボノシュスラン |
アツモリソウ |
アマナラン |
アリサンスズシ |
イチヨウラン |
イワチドリ |
ウチョウラン |
エビネ類 |
カキラン |
カモメラン |
カヤラン |
ガンゼキラン |
キバナノセッコク |
キンセイラン |
キンラン |
ギンラン |
クマガイソウ |
クモキリソウ |
コアツモリソウ |
コウシュンシュスラン |
コクラン |
コケイラン |
サイハイラン |
サギソウ |
サワラン |
ジガバチソウ |
シュスラン |
シラン |
スズムシソウ |
トキソウ |
トンボ草類 |
ナゴラン |
ナリヤラン |
ネジバナ |
ハクサンチドリ |
ヒトツボクロ |
ヒメトケンラン |
ベニシュスラン |
マツノハラン |
ミヤマウズラ |
ミヤマムギラン |
ムカデラン |
屋久島モジズリ |
腐生ラン類 |
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鉢について
昭和の晩年・・・1980年代はホームセンターの園芸用品売り場などで、型物の安価な蘭鉢の種類も多く販売されていましたが、現在では殆ど見られなくなり困っています。その代わり、仕立て鉢に向いたプラ鉢などが手に入るようになりましたがその姿にはやはり不満が残ります。
展示会などに陳列するためだけに使用されている方も多いようですが、絵柄のついた高価な錦鉢や金縁の楽鉢などは私の趣味に合いません。
目立たず、素朴な味が好みです。山野草用として販売されているものの中に、たまに見つけては購入しています。経済的な事情もありますので、あくまで安価という条件がありますが。
黒一色の3本足の楽鉢は使用していますが、この足がなければ良いのにと思っています。古くから研究されてきた末の鉢ですが、好きではありません。古い中国鉢や風貴蘭等の透かし鉢、作家作品の中には素晴らしいものがあるのですが、高価ですので全く手がでません。
水苔について
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2022/7/12 栽培中の水苔 |
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画像は長年栽培しているオオミズゴケ( Sphagnum palustre )です。減りましたので使用せず増殖に心がけています。国産のオオミズゴケの生息場所は半日陰というより明るい場所に多く見られます。
現在の栽培数の状況ですと全く足りませんので、2021年はニュージーランド産( Sphagnum crisfatum )の5Aクラスを購入するつもりでした。
専門店に在庫を見つけた時に即時購入。確かに長尺が多いのですが、全体的に房が痩せ、糸のようなものが多い製品でした。。
3Aクラスは近隣のホームセンターでも手に入るのですが、2022年8月、在庫用に仕入れに行きましたら見事に完売。残りはチリ産ばかり。
専門店から5Aクラスが入荷したとの連絡をいただき、また即時購入。
以前はチリ産も使用したことがあるのですが、品質は最悪、ゴミも多いものしか手に入りませんでした。現在のチリ産のものは見た感じからは少しは良くなっている様子が見受けられましたので、近隣地区のホームセンターで500グラムのものを購入。別のホームセンターで5Aという表示のあるものも購入してみましたが、やはりゴミも多く、短く、痛んで古いという具合です。
その後、風貴蘭を購入している別の専門店で5Aプラスの水苔が販売されていましたので購入。これは房もプリプリで満足のいくものでした。
幼い頃から山歩きをしていますので、水苔が生育している場所は多く知っています。30年以上前のことですが、自宅から一番近く、車で近辺まで入れる場所で毎年必要分だけ採集していました。ある年、水苔がある斜面の落ち葉ごと、箒で掃除したようにきれいさっぱり何もかも無くなりました。呆然としました。恐らく業者の仕業でしょう。
現在は自然保護の観点からも採集はできませんので大事に育てていこうと思っています。自然界では貧栄養状態の流水、湧き水、雨水のみで育っています。
根はありません。透明細胞に穴があり大量の水を吸収できる構造になっています。微量の肥料分もそこから吸収しているのでしょう。
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